旬材紀行 2018年冬

響風庭赤坂店林秀昭調理長

01料理長旬材紀行

京都

 料理の道、歩むごとに出会ったのは京懐石を学ぶ先達。自然に京都の膳を極めることになった、響 風庭赤坂店料理長・林。繊細な調理法、美しい見た目そして季節を愛し尊ぶ心。日本人が古来大切にしてきた食に対する思いが、食材一つ一つにも溢れている。林は、長年お付き合いのある業者さまのご厚意とご縁により、数多くの京食材に改めて向き合った。そして料理を紡ぎ出す―。
 新たな年を迎えた一月中旬から三月中旬、響全店にて京都食材を使った献立をご提供する。京都を存分に味わっていただきたい。

京鴨九条葱巻き揚げ

肉質至上主義

 考え抜かれた肉質で生まれ、それを保つために細心の注意と工夫で育てられる「京鴨」。少しの床や飲み水の汚れを敏感に感じ取り、自らの体に変化をもたらす繊細な鳥。餌も季節によって配合を変える。この鳥は四季を感じ取るかのように、環境の変化を全身で受け止める。その旨味が頂点に達する一点を見極め、ブランドとしての誇りを保つ苦労は日々計り知れない。証は脂にも現れる。通常加熱後の鳥の脂は黄味がかる。ところが、「京鴨」の色は滑らかな白である。この色味が我々のこだわりの集大成の一つです、山城農産株式会社・坂上さまは、はつらつと語ってくれた。京鴨の脂の融点は十四度、つまり人の口に入ると溶けだす。冬をしのぐ暖かな卓上でとろけるこの最上の肉を、どのように召し上がっていただこうか、林の頭にはお客様の笑顔しかなかった。

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その細さと虹色と

 すっと刻まれた白のいぼ、一般の人参よりはるかに細く長い見た目。そしてその紅色は祝い事を想起させる。正月の炊き合わせや雑煮で見かけるあの鮮やかな人参である。冬に旬を迎える京人参は含まれる栄養素のため、どこを切っても均一に赤い。別名に赤ら顔であったと伝わる、坂田金時の名も冠する。柔らかく、甘い。特に伺った修学院離宮のふもとは、昼夜の寒暖差が激しく、より甘みを蓄える。この赤さがいい、和の赤だ。林は優しく人参を見つめた。

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土からおこす味

 抜けるような青空の下、広大な土地の下、目を見張るような大きさのごぼうがゆっくりと育っていた。始まりは、かの戦国武将豪邸跡地、人々が運んだ塵芥の中で偶然育ったと言われる。現代では一年をかけ、ゆっくりと土中で育まれる京野菜の堀川牛蒡、その外見は枝のよう。根本から先端まで均一に太い。土を払い落とすと、見えてくる松皮のような質感。林は笑顔を隠すことができない。立派、林は一言もらす。長年扱った食材がこのように作られる、それを知り学ぶことは料理長冥利に尽きるのであろう。生産者の方の手ほどきを受け、土から収穫する。この地域ではごぼうを堀ることを「おこす」と呼ぶ。ほっくりとした素朴な味わいを思い起こしながら、力を込め、ごぼうをおこした林は最高の笑顔を見せる。地場に根付いた食材は何よりも馳走である。そう改めて気づかされた。

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その他様々な京都府下・生産者さまの元にもお伺い致しました。この場で御礼申し上げます。

02 季の馳走

1月15日〜3月14日

自撮り丹波黒どりと京都産野菜のオーブン焼き

「もっと美味しい鶏を」という思いから二十数年に渡り
試行錯誤を重ね誕生した「地鶏丹波黒どり」。濃い味わいと
きめが細かく柔らかい食感、甘い脂が特徴の身質。
旬を迎えた京都産野菜と共に、シンプルにオーブンで
焼き上げる。すぐき漬けを使用したタルタルを添えて。
1,800円(税抜)

京鴨・九条葱

京鴨と九条葱の巻き揚げ

京鴨は鴨独特の臭みが少なく、ほどよい弾力をもつ身質。脂身は融点が低く口の中で入れればとろけていくほどである。この京鴨で相性の良い京野菜九条葱を巻き、固くならないように油でさっと揚げる。京鴨の出汁でつくった天つゆにくぐらせ召し上がって頂く。
1,200円(税抜)

京人参

坂巻農園野菜とじゃこのサラダ今日人参トレッシング

千葉県柏市にある坂巻農園。減農薬農法でハウス栽培では無い為、本来の旨みをもつ野菜をつくっている。採れたての新鮮な野菜に、じゃこを加える。ドレッシングには鮮やかな紅色と甘みが特徴の京人参をふんだんに使用。
1,000円(税抜)

京白菜

京白菜のさつま揚げ

素材の良さを引き出すために、余分な材料は加えず、京白菜とすり身のみで仕上げたさつま揚げ。京白菜特有のシャキシャキとした食感がしっかりと感じられる。程よい辛さと、旨みをもつ神楽南蛮味噌をつけて召し上がり頂く。
950円(税抜)

聖護院大根

聖護院大根と鰤のステーキ有馬山椒餡

聖護院(しょうごいん)大根は京都で生まれた丸い大根で、
京都の伝統野菜として知られている。箸で切れるほど柔らかく炊いた聖護院大根と、これから旬を迎える鰤を焼き上げる。餡には有馬山椒を加え、香りと辛みで素材の旨みを引き立てた。
1,500円(税抜)

すぐき漬け

きたあかり芋とすぐき漬けのポテトサラダ

甘みが強く、熱を加えるとホクホクとした食感が味わえるきたあかり芋。荒くすり潰す事できたあかり芋の特徴を最大限に引き出す。京都の三大漬物と呼ばれている「すぐき漬け」を加える事で甘みと酸味のバランスがとれた大人のポテトサラダへ仕上げた。
950円(税抜)

花菜

花菜と響喜豚のジョン

ジョンとは野菜や魚介を卵でつないで焼き上げた韓国風のお好み焼き。焼きたての香ばしさと素材の旨味を堪能できる調理法。 花菜のほろ苦い味わいと辛味大根とあわせたヤンニョンジャン(韓国の調味料)で召し上がって頂く。
950円(税抜)

03 蔵元礼賛

社の蔵独楽蔵

 京都・伏見にある「清酒 月の桂 増田徳兵衛商店」は300年の歴史がある古い蔵元。今では多くの酒蔵も仕込む、にごり発泡酒の元祖である。今回はその中でも特に味わい深い《月の桂 新酒 大極上中汲純米にごり生》 をご用意。爽やかな甘み、きめ細やかで心地よい泡立ちは「米のシャンパン」とも称される。選ぶ器はもちろんフルートグラス。冷やで京都食材との相性も愉しんで頂きたい。

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04 普段の上等

京野菜錦川政

 響の京野菜料理を支えるのは、京都・錦で店舗を構える「京野菜 錦 川政」。響とのご縁は優に十年を越えています。見渡す限りの京野菜、他を追随させない圧倒的な種類と品揃えの店頭。更にその仕入の目利き力。職人である響の料理長たちをも唸らせる、達眼。期待以上の品質と価格でいつも対応してくださる、本当の八百屋です。今回も京都の一皿一皿の味わいを根底で支えて下さっています。皆さまの前に饗される選び抜かれた川政の京野菜を、この機会に是非ご賞味下さい。

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05 響で宴会

福岡の恵みを味わう
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